大型プールは施設の雰囲気を高めるだけでなく、SNS映えによる集客やイベント活用による収益化にもつながります。ただし、施工には大きな投資と長期的な維持管理が必要です。この記事では、導入するメリットから施工前の確認事項、メンテナンスのポイントまでを整理し、安心して計画を進めるためのポイントを解説します。
大型プール施工のメリット
大型プールは「上質な体験の提供」「SNS等での拡散による認知拡大」「多目的活用による収益化」を同時に狙える設備です。計画段階で活用シーンまで描けると、投資回収の見通しが立てやすくなります。
施設の高級感を高められる
インフィニティプールのように水面と景観の境界を弱める設計は、開放感と上質感を演出します。夜間の照明計画を工夫すれば季節やイベントに合わせた演出も可能です。
SNS映えで集客につながる
インフィニティやライトアップされたナイトプールは写真映えし、投稿が自然に広がります。「#ナイトプール」のようなタグは認知拡大に有効です。計画段階からフォトスポットを設け、キャンペーンを合わせると広告費を抑えながら集客の好循環を作れます。デザインへの初期投資は長期のマーケティング投資となるでしょう。
収益機会を広げられる
プールはイベント会場としても強みがあります。ウェディングや企業レセプション、新製品発表などで水面演出やライトアップが活きます。プールの周辺ではカバナ、プールサイドバー、フローティング・ヨガなどの付帯サービスも考えられます。季節ごとの工夫をすることで、一年を通しての活用が見込めるでしょう。
施工前に確認すべき基本事項
基本事項の注意を怠ると手戻りや想定外コストの原因になります。計画段階で専門家を交えて要件を固めましょう。
法規制や建築基準を確認する
大型プールは建築基準法や自治体条例の対象となる場合があります。地域で基準が異なるため、所轄行政に早めの確認が必要です。まずは要件を洗い出し設計へ反映します。
地盤調査を行う
常時数十〜数百トンの水を支えるため、地盤調査で地層・支持力・液状化の可能性・地下水位を把握します。N値などの客観データに基づき基礎設計を行い、必要に応じて地盤改良を実施します。
設計段階で動線と安全性を考える
更衣室からプールサイド、建物からプールへの動線は短く段差を抑え、濡れた足元を想定して滑りにくい床材を選びます。多くの方が利用することを想定する場合、高齢者や子ども、障がいのある方にも配慮したユニバーサルデザインを取り入れることが大切です。監視員の死角が出ないレイアウト、鋭利な角の排除、救護室へのストレッチャー動線まで事前に設計へ組み込みましょう。
また、動線上の快適性と衛生管理を両立させる設備として、屋外シャワーの導入も有効です。入水前後のシャワーは水質維持に貢献します 。特に、太陽熱で水を温めるソーラーシャワーであれば、エネルギーコストをかけずに温かいシャワーを提供でき、利用者の満足度を高められます 。
リゾートのような非日常空間を演出するアルケマデザインのプロダクトは、プールやガーデンを特別な場所へと変えてくれます。「自分の施設や空間に合う製品をもっと知りたい」「導入後のイメージを相談したい」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
プールの素材と工法の選び方
素材と工法は自由度・耐久性・工期・維持性などに直結します。目的と条件に合う選択を行いましょう。
コンクリートプール
インフィニティエッジや曲線など自由度が大きいのが特徴。大型プールに対応できるのが強みです。タイルや石材仕上げで高級感を出せます。天候によりコンクリートの養生期間への影響が出やすく、他の素材のプールに比べて工期が比較的長くなる場合があります。経年や地震によるクラックの起きにくい強固な構造とするため、施工の工程ごとに丁寧な管理が必要です。
FRPプール
工場成形を据え付けるため短工期で軽量、屋上への設置も比較的容易です。プラスチックのため、熱によって変形しひび割れが起きる場合があります。長期の堅牢性はコンクリートに劣るため設置環境に配慮が必要でしょう。
ステンレスプール
金属のしなやかさで地震にも強く、耐食・防水性を保ちやすいことが特徴です。ステンレスを曲げ、溶接する工法は自由度が高く、レジャープールなどでも採用されています。仕上がりは施工者の技量に左右されるため業者選定が重要です。
ランニングコストを抑え、長く愛されるプールへ
大型プールは、造って終わりではありません。将来の運営方法やメンテナンスまで見据えて計画することで、長期的なコストを調整し、施設の資産価値を維持できます。
将来のコストを左右する設備・仕様の選び方
初期投資だけでなく、総所有コストの視点を持つことが重要です。例えば、以下のような選択が将来のコスト削減につながります。
- 省エネ性能の高い設備を選ぶ
- ポンプやろ過器を省エネ性能の高いモデルにしたり、照明をLED化したりすることで、日々の電気代を大幅に削減できます 。
- メンテナンスしやすい素材・工法を選ぶ
- 例えばステンレスプールは、汚れが付きにくく清掃が容易なため、日々の維持管理の手間を軽減できます。素材ごとの長期的なメリット・デメリットを施工業者に確認しましょう。
計画的なメンテナンスで資産価値を守る
どんなプールでも経年劣化は避けられませんが、劣化のサインを知っておくことで、最適なタイミングで対処でき、大規模な改修費用を避けられます。
- 知っておきたい劣化のサイン
- プールの表面に、色あせや変色、ごく小さなひび割れ(クラック)や塗膜の膨れなどが見られたら、劣化の初期段階です 。
- これらが進行すると、塗装が剥がれて下地が見えたり、ひび割れからの漏水により異常に水位が低下したりすることがあります。
- 改修は「価値を高めるチャンス」と捉える
- 将来、防水層の改修などが必要になった際は、ただ修復するだけでなく、プールサイドのデザインを刷新したり、省エネ設備を導入したりと、集客力や運営効率を高める絶好の機会と捉えることができます。
大型プールで叶える、特別な空間づくり
大型プールは、単なる水遊びの場ではありません。訪れる人に非日常の感動を与え、施設のブランド価値を大きく高める力を持っています 。
この記事で見てきたように、その魅力を最大限に引き出すためには、設計段階での綿密な計画が不可欠です。法規制や地盤の安全性をクリアすることはもちろん、利用者の動線に配慮し、目的に合った素材や工法を選ぶこと、さらに、完成後のランニングコストやメンテナンスまで見据えた長期的な視点が、プールの価値を末永く維持する鍵となります 。
まずは専門の施工業者に相談し、夢の空間づくりへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。