せっかく自宅に設置したプールも、日々の手入れが行き届いていないと、すぐに汚れやすくなってしまうもの。水質の悪化は見た目の問題だけでなく、衛生面にも関わってきます。

この記事では、初心者でも取り組みやすいメンテナンスの基本を「頻度別」「設備別」「季節別」に分けてご紹介。日々の軽い掃除から、ろ過装置や塩素の管理まで、手間を減らしつつ安心して使い続けるためのコツをまとめました。快適なプールライフを長く楽しむために、ぜひチェックしてみてください。

 

自宅プールのメンテナンス頻度の目安

自宅にプールを設置することで、暮らしにどんな変化が起こるでしょうか。家族や友人と過ごす時間が特別なものになるだけでなく、日々の暮らしの中にリラックスできる空間をつくり出せる点が大きな魅力です。その快適さを安全に長く楽しむためには、日々のメンテナンスが欠かせません。「どれくらい手入れすればいいの?」と不安になる方もいらっしゃいますが、基本のポイントをおさえておくことで、誰でも美しいプールを保つことができます。

基本は毎日の軽い掃除から

まず大切なのは、毎日の小さなケアを習慣にすることです。例えば、水面に浮かぶ葉っぱや虫、髪の毛などは、スキマーネットなどを使ってさっとすくうだけでも水質維持に十分効果があります。これらをそのままにしておくと、沈んで腐敗し水質を悪くしてしまうため、こまめな掃除がトラブル予防につながります。

また、プールサイドの側溝や排水口にもゴミが溜まりやすいので、蓋がされている場合は定期的に開けて掃除をしましょう。水はけが悪いとプール周りに水たまりができ、滑りやすくなるだけでなく、汚れた水が逆流して水質悪化を引き起こすこともあります。簡単にでも、こまめに行うことが大切です。

週に1〜2回の水質チェックが安心

水の透明感や安全性を守るには、定期的な水質チェックが欠かせません。見た目がきれいでもpH値や塩素濃度のバランスが崩れると肌荒れや健康リスクにつながります。特に夏場や利用頻度が高い時期は、週に2回ほど測定しましょう。

市販のテストキットを使えば、pHや塩素濃度なども簡単に確認できます。一般的な目安は下記のとおりです。

  • pH値(推奨:7.2〜7.8)

適正なpH値を維持することは塩素を効果的に働かせるために大切です。低すぎると水が刺激的になり、設備の腐食も進みやすくなります。逆に高すぎると、塩素の効果が弱まり、ぬめりの原因になることもあります。

  • 遊離残留塩素濃度(推奨:0.4〜1.0mg/L)

濃度が低いと雑菌が繁殖しやすくなり、高すぎると肌や目に刺激を与え、設備の劣化につながる可能性があります。

 

プールの主なメンテナンス項目とは

プールを快適に保つためには、日々の掃除だけでなく、ろ過機やポンプなど機器の定期的な点検・メンテナンスも欠かせません。ここでは主要なポイントを紹介します。

ろ過機とポンプのメンテナンス

ろ過機とポンプは、プールの水を循環させてゴミや汚れを取り除く、いわばプールメンテナンスの心臓部です。夏場は1日12時間程度、冬場は8時間程度の稼働が目安ですが、プールの大きさや利用状況によって調整しましょう。

フィルターにゴミが溜まると水流が弱くなり、ろ過効率が下がります。ろ過機に圧力計が付いていれば定期的にチェックしましょう。清掃直後から8〜10psi上昇したら掃除のサイン。フィルター掃除は週1回を基本に、使用頻度や汚れ具合で調整しましょう。大雨や台風の後も、必ず設備の点検とゴミの除去を忘れずに。

もし水が流れていない、濁っている、ポンプが異常音を立てているといった場合は故障が疑われます。早めに原因を突き止め、必要があれば専門業者に相談してください。

プール内の清掃

ろ過装置だけでは取り切れない汚れや藻は、ブラシや掃除ロボットで定期的に除去することが大切です。底や壁のコーナー部分、階段周りはゴミがたまりやすいので、重点的にチェックしましょう。

手動ブラシを使う時は、プールの材質に合ったものを選び、力を入れすぎないよう注意してください。塗装面やビニールライナーはナイロン製の柔らかいブラシがおすすめです。週に1回の清掃を習慣にすれば、汚れが溜まりにくくなります。

消毒・塩素の投入

清潔な水を維持するためには、適正な塩素濃度の維持が不可欠です。塩素剤には錠剤タイプと液体タイプがあり、それぞれ使い方が異なります。

主な種類と特徴は以下の通りです:

  • 次亜塩素酸カルシウム(顆粒または錠剤)

水に溶けやすく、長時間にわたり効果が持続するのが特徴です。主に、日常の消毒やショック処理(急な水質悪化への対応)に使用されます。

  • 次亜塩素酸ナトリウム(液体タイプ)

即効性があり、pHを上昇させる性質があります。急ぎで水質を改善したいときの消毒やショック処理に使われます。

  • 塩素化イソシアヌル酸(錠剤または顆粒)

トリクロロイソシアヌル酸やジクロロイソシアヌル酸は保存性・持続性に優れており、定常的な塩素濃度の維持に向いています。日常的な水質管理に適しています。

 塩素濃度が高すぎると健康に悪影響が出ることもあるため、必ず測定しながら調整を行ってください。特に雨の後や大人数が利用した後など水質の悪化が気になる時は、塩素を適切に投入し、必ずプール全体に行き渡るようにかき混ぜることが大切です。

排水口や側溝の点検

プール周囲の排水設備も、衛生と安全のために見逃せません。ゴミが詰まると水の流れが悪くなり、水たまりや逆流の原因になります。定期的にカバーや排水経路にたまったゴミを取り除き、特に雨や台風の後は念入りにチェックしましょう。

 

 

季節ごとのメンテナンスのポイント

プールのメンテナンスは一年を通して必要ですが、季節によって重点や方法が変わります。季節ごとのポイントを押さえ、トラブルを未然に防ぎましょう。

夏場はこまめな水質管理が鍵

夏は水温も高く、利用頻度が増える分、水質が悪化しやすくなります。高温と強い日差しで塩素が分解されやすいため、こまめに塩素濃度とpHをチェックし、必要に応じて塩素の投入量を調整してください。

また、汗や皮脂、日焼け止めなどの混入も増えます。プールに入る前は必ずシャワーを浴びてから入水することを家族やゲストに促しましょう。

屋外でも手軽に設置できるソーラーシャワーなら、電源不要で簡単にシャワー習慣を取り入れられます。エコ素材とスタイリッシュなデザインを融合させた屋外ソーラーシャワーを手がける「アルケマデザイン」は、機能性と景観性を兼ね備えた製品で、プールサイドの空間をより快適に演出してくれます。

詳細は、以下のページをご覧ください。

冬場のプールは水を抜かずに管理

冬は「水を全部抜くべきか」と迷いがちですが、プールの材質や構造によっては、完全に水を抜くとトラブルが発生する原因となります。コンクリートの場合は表面が乾燥してひび割れを起こしたり、水圧で押さえるタイプのPVCライナーの場合はシートに皺が寄ったりしてしまいます。施工業者やメーカーに確認し、適切な水の量を維持しながら、配管や機器の凍結対策をしましょう。プールカバーをかけておくとさらに安心です。

また、月に1回程度は簡単な点検とゴミの除去を行い、塩素濃度も低めで維持しましょう。寒い季節も藻や細菌は完全には消えません。春になってから大きなトラブルに気が付くことが無いよう、冬場も軽いメンテナンスを続けることが大切です。

機器類やゴム部品は乾燥しすぎると劣化しやすいので、取り外し可能なパーツは室内保管、ゴム部品には専用の潤滑剤を塗っておくと安心です。

 

 

プールメンテナンスのしやすさを重視した設備選びを

長く快適にプールを楽しむためには、設計段階から「手入れのしやすさ」を重視した設備選びが大切です。後から後悔しないよう、プロの視点も交えながら検討しましょう。

施工時からメンテナンス性を考える

ろ過装置やポンプは、手が届きやすく、作業スペースに余裕がある位置に設置しておくと便利です。また、ゴミがたまりにくい丸みのある形状のものを選択肢に入れることや、排水する時の経路などを確認しておくことで、清掃やトラブル時の対応が楽になります。

水道ホースが簡単に届くように水栓の配置を考えたり、植栽やデッキもゴミが落ちにくくしたりと、小さな工夫で日常の手間を大幅に減らせます。

業者選びもサポート体制で比較

プールは一度作ったら長く付き合う設備です。業者選びは費用だけでなく、施工後のサポート体制や点検・修理がスムーズかどうかで比較しましょう。

点検や修理の受付がしやすいか、日常のお手入れに関する相談にも親身に乗ってくれるかを事前に確認しておくことが大切です。定期訪問サービスや部品交換のアドバイスをしてくれる業者なら、トラブルの予防にも役立ちます。契約時には、サポートの範囲や保証内容も必ずチェックしましょう。

 

快適なプールライフを叶えるには、日々のメンテナンスがカギ

自宅でのプールライフを快適に楽しむためには、日々のちょっとしたお手入れが何より大切です。便利な道具やアイデアを取り入れて、無理のないプール管理を目指してみましょう。初めての方でも、ポイント押さえることで衛生的な水質を保つことができます。

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